疾病を知る

子宮にまつわる病気や症状

2025.08.20最終更新

監修医
イーク渋谷
婦人科
豊泉 理絵

子宮に関する不調や違和感は、日常の中で見過ごされやすいものです。「これくらい大丈夫」「様子を見よう」と思っているうちに、受診のタイミングを逃してしまうこともあります。このページでは、子宮にまつわる代表的な病気や症状をまとめて紹介します。子宮頸がんをはじめ、早めに気づくことで対処しやすくなるケースも少なくありません。自分の体と向き合うきっかけとして、ぜひ参考にしてください。


子宮の病気にはどんなものがある?

子宮に関わる病気は複数あり、それぞれ発生する場所や原因が異なります。代表的なものを整理してみましょう。

子宮頸がん

子宮の入口(子宮頸部)にできるがんです。主な原因はHPV(ヒトパピローマウイルス)への感染で、初期は自覚症状がほぼありません。定期検診とHPVワクチンで予防・早期発見が可能です※1

子宮体がん(子宮内膜がん)

子宮の内側(子宮内膜)にできるがんです。子宮頸がんとは発生部位も原因も異なります。不正出血が比較的早い段階で現れることが多く、閉経後の女性や肥満・糖尿病の方はリスクが高いとされています※2

子宮筋腫

子宮の筋肉にできる良性の腫瘍です。30〜40代の女性に多く、位置や大きさによっては、月経量の増加・腹部の張り・頻尿などの症状が現れることがあります。エストロゲンの影響を受けて大きくなりやすく、閉経後は自然に縮小することが多いです。

子宮内膜症

本来は子宮の内側にある組織(子宮内膜)が、卵巣や腹腔内などの子宮以外の場所で増殖する病気です。自覚症状としては、強い月経痛・慢性的な骨盤痛・排便時痛を感じることがあり、不妊の原因になることもあります。20〜30代の女性に多く、「生理痛がひどい」と感じたら受診を検討してください。

子宮頸管ポリープ

子宮頸部の内側(頸管)にできる良性のポリープです。多くは自覚症状がありませんが、不正出血や性交後の出血が現れることがあります。婦人科受診で発見でき、外来で切除が可能なケースがほとんどです。

こんな症状は要注意|受診の目安

次のような症状がある場合は、婦人科への受診をおすすめします。「たまにあるだけだから」「生理が不規則なだけかも」と思っていても、早めの確認が安心につながります。

不正出血(生理以外の出血)

月経期間外の出血や、性交後の出血は、子宮頸がん・子宮体がん・ポリープなどのサインである可能性があります。「少量だから」と放置せず、一度婦人科を受診しましょう。

月経量の異常・月経痛の強まり

以前と比べて経血量が増えた・レバー状の塊が出る・毎年貧血でひっかかる、という方は過多月経の可能性があります。また、痛み止めを1日何回も使用する、仕事を休むくらい生理痛が辛いという方は月経困難症の診断になります。過多月経や月経困難症は超音波検査によって子宮筋腫、子宮内膜症など目に見える原因がわかる場合もあります。「生理だから仕方ない」と諦めずに、一度婦人科でご相談ください。

おりものの変化・においの異常

おりものの色・量・においに変化があるときは、感染症(クラミジア・細菌性腟炎など)や子宮頸がんの初期サインである場合があります。内服薬や膣錠で治療できることも多いので、婦人科での検査をお勧めします。

下腹部の痛み・張り・違和感

慢性的な骨盤部の鈍痛や圧迫感は、子宮内膜症・筋腫・卵巣嚢腫などと関連していることがあります。

定期検診で早期発見につなげよう

婦人科の定期検診は、自覚症状がない段階の病気を発見できる、もっとも有効な手段のひとつです。子宮頸がんをはじめとする婦人科疾患は、早期発見で治療の選択肢が大きく広がります。

子宮頸がん検診(細胞診)

20歳以上を対象に、2年に1度の受診が推奨されています※3。子宮頸部の細胞を採取し、異常な細胞がないかを調べます。また自治体によってはHPV検査を行っているところもあります。市区町村の無料・助成クーポンが利用できる場合もあるため、お住まいの自治体へご確認ください。

超音波(エコー)検査

子宮・卵巣の形や大きさを確認できる検査です。現時点では子宮体がんや卵巣がんの早期発見のエビデンスはありませんが、子宮筋腫や卵巣嚢腫など、良性ですがフォローが必要な病気を把握するのに役立ちます。婦人科ドックや健康診断のオプション検査として受けられるケースが多いです。

婦人科検診は内診台での検査になるため、「痛みがあるのでは?」「怖いから行きたくない」という方も多いです。ただ、毎年定期的に検診にきてくださる方を見ていると、やはり早期に見つかって適切な治療につながっていることを実感します。

また、当院では痛みの強い方には検診時には小さな内診器具を使ったり、プローべのゼリーを増やしたり、なるべく痛みを軽減するような工夫をしています。カルテ内にも毎年どのように対応したかを記録し、負担が少ないように配慮しています。
早期に発見できれば、身体への負担が少ない治療で対処できる可能性が高まります。

子宮頸がんについてより詳しく知りたい方は、当サイトの「子宮頸がんって何」のページもあわせてご覧ください。

参考文献・出典
※1 国立がん研究センター「子宮頸がん(がん情報サービス)」(https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/
※2 国立がん研究センター「子宮体がん(がん情報サービス)」(https://ganjoho.jp/public/cancer/corpus_uteri/
※3 厚生労働省「がん検診について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/index.html

監修医
イーク渋谷
婦人科
豊泉 理絵