疾病を知る

子宮頸がんの治療方法

2026.04.18最終更新

監修医
イーク渋谷
婦人科
豊泉 理絵

子宮頸がんと診断されたとき、多くの人がまず気になるのが「どんな治療をするのか」「これからの生活はどうなるのか」という点ではないでしょうか。治療と聞くと不安が先に立ちますが、進行度に応じて治療法は大きく変わります。ここでは、子宮頸がんの治療方法を整理し、それぞれの特徴や考え方、また治療後の生活についてご説明します。

初期の子宮頸がんの治療方法

前がん病変やⅠ期(がんが子宮頸部にとどまっている段階)であれば、基本的には手術療法になります。

円錐切除術(えんすいせつじょじゅつ) 

前がん病変と診断された場合に行われる手術です。子宮頸部の一部を円錐状に切り取ることで病変を取り除きます。子宮を残せるため、手術後の妊娠・出産を検討することが可能です。ただし診断結果によっては子宮全摘術を追加する場合もあります。また頸管が短くなるため、妊娠時の早産のリスクが高まる可能性があります。

単純子宮全摘術

前がん病変の中でもAISと診断された場合や一定の条件を満たすⅠ期の方に対して行われます。
閉経前であれば卵巣を温存できる場合が多いので、術後の更年期症状などの後遺症は出にくいとされています。

広汎子宮全摘術

I期〜II期で行われることが多い手術です。子宮だけでなく、周囲の組織(基靭帯・膣の一部)やリンパ節も含めて切除します。手術の範囲が広い分、手術時間も長いです。術後に排尿障害などの合併症が生じることもあり、術後のケアが重要なため、入院期間も2~3週間ほどかかります。

進行した子宮頸がんの治療方法

II期後半〜IV期のがんでは、手術・放射線・化学療法を組み合わせた治療が中心になります。
子宮頸がんの場合、ステージによっては放射線と化学療法を組み合わせた治療が手術と同等の効果を得られるとされており、がんの広がりや年齢など状態によって治療方針が決められます。

放射線療法

がんに放射線を照射して縮小・消滅させる治療法です。外部から照射する「外照射」と、膣内から照射する「腔内照射」を組み合わせて行うことが多く、手術が難しい状態でも適用できます※1

化学療法(抗がん剤)

薬でがん細胞の増殖を抑える治療法です。抗がん剤を使用することで、放射線の効果を高める役割も果たすため、放射線療法と同時に行う「化学放射線同時併用療法(CCRT)」が標準的な治療として広く用いられています。

免疫療法・分子標的療法 

近年、免疫チェックポイント阻害薬(ペムブロリズマブなど)が再発・転移性子宮頸がんの治療に承認されています※2。がんの種類・状態・遺伝子検査の結果に応じて、主治医と相談のうえ検討します。特に免疫チェックポイント阻害薬の使用に関しては、現在適応できるケースも増えてきており、最新の情報を主治医と相談しながら治療方針を決めていくことが大切です。

治療後の生活やフォローアップ

治療が終わったあとも、定期的な検査と心身のケアが回復・再発の早期発見が大切です。

定期検査・フォローアップ

治療後は一般的に2〜3か月ごとの定期検診が推奨されます。細胞診・画像検査・血液検査などを通じて、再発の早期発見を目指します。5年間再発がなければ「寛解」と判断されることが多く、その後はフォローの間隔が延びていきます。

日常生活・仕事への復帰

手術や放射線療法後は、体力の回復に合わせて徐々に日常生活に戻っていきます。仕事の復帰時期は治療内容や体調によって異なりますが、具体的な業務内容の制限や働き方の見直しが必要な場合には主治医に診断書を書いてもらいましょう。また厚労省では「治療と仕事の両立支援カード」を作成しています※3。必要に応じて主治医や産業医に情報を記載してもらいながら、無理なく働き続けられるような環境づくりを考えていけるよう国をあげてサポートしています。

心身のケア・サポートの活用

がんの治療は身体の負担だけではなく、経済面や精神面などさまざまな負担が伴います。不安や悩みを抱え込んでしまう方も多いのですが、相談できる支援施設やグループがあることもぜひ知っておいていただきたいです。例えば「がん相談支援センター(各地の拠点病院に設置)」では治療にかかる費用のことや、家族のこと、妊孕性温存について、治療中の整容面でウィッグの相談など専門の看護師やソーシャルワーカー、臨床心理士等が幅広く相談にのってくれます。

がん患者会・サポートグループでは同じような状況で悩んでいる方やご家族の方とつながることで、情報収集や安心感につながることがあるかもしれません。

診察の時間内では相談できないこともあると思います。一人で抱え込まず、ぜひこうしたサポートを活用していただけたらと思います。

参考文献・出典
※1 日本放射線腫瘍学会「子宮頸がんの放射線治療」(https://www.jastro.or.jp/
※2 厚生労働省「がん診療連携拠点病院における子宮頸がん治療ガイドライン」(https://www.mhlw.go.jp/)
※3  治療と仕事の両立支援ナビ(https://chiryoutoshigoto.mhlw.go.jp/

監修医
イーク渋谷
婦人科
豊泉 理絵