疾病を知る

子宮頸がんの種類

2026.04.08最終更新

監修医
イーク渋谷
婦人科
豊泉 理絵

子宮頸がんと一言でいっても、実はいくつかの種類があり、進行の度合いによって状態や治療方針が異なります。診断を受けたとき、不安を感じる方も少なくありません。このページでは、子宮頸がんの主な種類や進行度(ステージ)について、専門用語をできるだけわかりやすく説明します。

子宮頸がんの主な種類(扁平上皮がん・腺がんなど)

子宮頸がんは、がんが発生する細胞の種類によって大きく2つに分類されます。

扁平上皮がん

子宮頸がん全体の約70%を占める最も多いタイプです※1。「扁平上皮」とは、子宮の入口付近を覆う薄い平べったい細胞のことで、ここに異変が起きてがんになります。検診(細胞診)で比較的早期に発見しやすく、進行が比較的緩やかな傾向があります。

腺がん

子宮頸部の奥側にある「腺細胞」から発生するタイプで、全体の約20%を占めます。腺がんは子宮の奥に発生するため、通常の細胞診だけでは発見しにくいことがあり、近年増加傾向にあることが指摘されています※2

その他のまれなタイプ

腺扁平上皮がんや小細胞がんなど、より珍しい種類も存在しますが、発生頻度は低く、治療方針は専門医と相談のうえ決定します。

進行度(ステージ)による違い

子宮頸がんは、がんの広がり具合によって「ステージ(病期)」が分類されます。

前がん病変

子宮頸がんの中でも扁平上皮がんではがんになる前の前がん病変が存在し、CIN(子宮頸部上皮内腫瘍)と表記します。CIN1からCIN3に進行します。
また、腺がんでは前がん病変のことをAIS(上皮内腺癌)と表記します。CIN3やAISと診断された場合には、まずは円錐切除術などの治療が必要となります。術後の病理結果によって追加の手術が必要になる場合があります。

I期(早期がん)

がんが子宮頸部にとどまっている段階です。Ⅰ期の中でも進行度合いによって治療方法は細かく分かれており、手術(子宮全摘術)で治療終了となる場合やリンパ節切除まで行う手術を行う場合、放射線治療を組み合わせる場合もあります。また妊娠・出産を希望する方に対して、進行度合いを考慮した上で子宮温存手術が選ばれるケースもあります。

II期

がんが子宮頸部を超えて広がり始めた段階ですが、骨盤壁や膣の下3分の1には達していない状態です。
病変の位置や年齢などを考慮しながら、手術または放射線・化学療法の組み合わせで治療を行います。

III〜IV期(進行がん)

骨盤壁や遠隔臓器(肺・肝臓など)へ転移が見られる段階です。化学療法と放射線療法の組み合わせが標準的な治療となります※3。近年は免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬)も選択肢に加わりつつあります。

種類によって治療や経過はどう変わる?

がんの「種類」と「ステージ」の組み合わせによって、治療方針は大きく変わります。

扁平上皮がんと腺がんの治療の違い

基本的な治療方法(手術・放射線・化学療法)は共通していますが、腺がんは扁平上皮がんに比べると放射線への反応が低い(効果が出にくい)ことがあるため、ステージによっては手術を優先する場合があります。また、腺がんは再発リスクについても丁寧なフォローが必要です。

妊孕性温存(妊娠できる可能性を残すこと)の選択肢

早期であれば、子宮を温存しながら治療できる可能性があります。ただ、適応できるケースは慎重に検討する必要があるため、主治医と相談しながら決めていくことが大切です。

医師との相談が治療の起点

同じ「子宮頸がん」でも、種類・ステージ・年齢・体の状態・ライフプランによって最適な治療は異なります。ご自身の気持ちをきちんと主治医に伝えながら、婦人科専門医とともに治療を進めていってください。

また、不安がある場合にはセカンドオピニオンを活用することも選択肢の一つです。セカンドオピニオンは患者側の権利でもあり、主治医に相談することは全く躊躇する必要はありません。診療情報提供書や検査データを持った上で相談できるよう、主治医に依頼をしてみましょう。

参考文献・出典
※1 国立がん研究センター「子宮頸がん(がん情報サービス)」(https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/
※2 日本産科婦人科学会「子宮頸癌取扱い規約」第4版
※3 「子宮頸癌治療ガイドライン2022年版」

監修医
イーク渋谷
婦人科
豊泉 理絵