日々の健康のために大切なのは「無理なく続けられる」こと
「心から笑える時間」が、健やかな体を支える土台になる

—先生はイーク・乳腺外科での検査・診察・読影※に加え、聖路加国際病院では乳がんの手術も担当されていて、多忙な毎日かと思います。またお子さんもいらっしゃるとのことで、普段のご自身の健康管理はどのようにされているのでしょうか?
正直なところ、ストイックな運動や完璧な食事管理を続けることは現実的には難しく、その代わり「無理なく続けられる習慣」を意識しています。 日常生活の中でよく歩くこと、移動の際に一駅分歩いたり、階段を使ったり。特別な運動ではなく日々の積み重ねを大切にすることで、結果的に毎日1万歩前後歩く生活になっていました。
また、睡眠も非常に重要だと考えており、夜10時から深夜2時を「睡眠のゴールデンタイム」と名付けています。できるだけこの時間帯には深い眠りに入り、からだの基盤となる成長ホルモンがしっかり分泌されるようなリズムを維持していけるよう意識しています。
そして何より、1日に一度は「心から笑える時間」をつくることを大切にしています。あまり笑えなかったと感じたときは、1日の終わりに子どもとくすぐり合いをしたりして(笑)。そうして心の健康を整えることが、女性の健やかな体を支える土台になると感じています。
※乳房の検査(超音波やマンモグラフィー)で撮影した画像を、専門医が観察し、乳がんの兆候がないか診察すること。

難しい自己検診とは違う、乳がん早期発見のための習慣「ブレスト・アウェアネス」
—先生は「ブレスト・アウェアネス」という考え方を大切にされていて、企業向けセミナーなどでも広く発信されていますが、これも〝無理なく続けられる習慣〟の一つですね。
そうですね。ブレスト・アウェアネスを簡単に言うと「自分の乳房に関心を持ち、変化に気づける感覚を育てる」ということです。難しい自己検診(セルフチェック)ではなく、もっと気軽に乳房に意識を向ける習慣のことを指します。
自己検診では、じっくり時間をかけ、隈なく乳房をチェックするイメージがあると思いますが、ブレスト・アウェアネスで気にかけていただきたいのは、そうした〝小さな兆候〟ではなく、一部の急速に進行する乳がんに気づくことです。それは毎日乳房に触れたり、鏡で見たりすることで、明らかに分かる以下のような変化に現れます。
- 乳房にえくぼのようなへこみができる
- 乳頭がいつもと違う方向を向いている
- 固い部分(しこり)がはっきりわかる
これらの変化に気づいた場合には、悩まず次の検診まで待たずに外来を受診していただき相談してほしいと思います。
私の場合は、就寝前にベッドで仰向けで横になった状態で、すくい上げるように乳房を触り、チェックしています。逆に、触っても気づくことが難しい小さな兆候に関しては、年に一度の健康診断を、乳がん検診も含めてしっかり受けることが大切です。
またイークでは、乳腺外科の外来診療で、検診と検診の間のフォローアップもしています。
「検診はまだ先だけど、ちょっと気になる」という場合には、ご不安なまま過ごす必要はありません。ぜひ気軽に外来診療を受診のうえ、ご相談ください。
あまり難しく考えず、まずは毎日乳房に触れたり、気遣うようにすること、そして定期的に乳がん検診を受けるということを続けて欲しいと思っています。

イーク表参道では「乳がん 触診モデル」に触れていただけ、しこりの感触を確かめることができます。
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