マンモグラフィ検査って何?
どんな検査?
マンモグラフィ検査とは乳房専用のレントゲン装置を使用し、「乳腺(乳房内の組織)」を見やすくするために乳房を薄くはさんで撮影することで、乳がんを早期に発見することができる検査方法です。乳房を圧迫するため、多少の痛みを伴いますが、乳房を薄く均等にひきのばすことでより多くの画像情報が得られ、かつ被ばく量も減らすことができます。
検査装置について
イークでは、日本医学放射線学会の定める使用基準を満たしたデジタルマンモグラフィ撮影装置(DR)を設置しており、細かい石灰化や腫瘤の形状などを明瞭に描出することができます。
検査でわかることは?
マンモグラフィでは、腫瘤(しこり)の一部や石灰化などが確認できます。
腫瘤は、マンモグラフィ上では、やや白い塊に見え、良性の場合も 悪性(がん)である場合もあります。
石灰化は、マンモグラフィ上では、真っ白な砂粒のような影に映り、乳房の一部にカルシウムが沈着したものです。良性でも悪性でも石灰化は起こります。
マンモグラフィ検査は特に石灰化の描出に優れており、乳がんのリスクが高く、乳腺の少なくなる40歳以上の方に実施されます。若い方(20~30代)は乳腺が多く、「石灰化や腫瘤」と「乳腺」との判別が難しい場合があるため、超音波検査が推奨されます。
乳腺の量と検査精度について
乳腺の量は個人差がありますが、若い方が多い傾向にあります。乳房内の乳腺量が多いと、マンモグラフィ検査では乳房が白く移ります。このタイプの乳房を「高濃度乳房」といい、乳がん検診で聞かれたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、病気を表す言葉ではありません。
高濃度乳房の場合は、そうでない場合と比べるとマンモグラフィで病変が発見されにくくなりますが、乳がんが全く検出できないということではありません。
検査の流れ・注意点
ご案内
検査室の近くにある椅子におかけになってお待ちください。
コンシェルジュまたは担当技師がご案内します。
検査
マンモグラフィは立った状態で、乳房を片方ずつアクリルの圧迫板に挟み撮影します。左右からはさんだ方向(CC方向)と撮影台を少し斜めに傾け上下からはさんだ方向(MLO方向)、両胸を2方向ずつ撮影します。もし、しこりが明らかな場合はしこりを中心として、詳細に撮影することもあります。
検査時間はおよそ15分程度です。
注意点やお願い
- 検査着の紐を解き、前を開けた状態で撮影します。
- メガネや大きなアクセサリー(ネックレス、イヤリング)は外してください。
- 制汗剤やパウダーは使用しないでください。
- ヘアスタイルによっては後ろで結んでいただいたり、ピンで留めさせていただくことがあります。
- 大きないぼやほくろ、ご自身で気が付かれたしこり等がありましたら、撮影前に担当技師にお伝えください。
- 呼吸や体の動きによってブレが生じることがあるため、撮影の瞬間は息を止めていただくことがあります。
- 痛みが強い時はがまんしすぎず、検査中も無理せずスタッフにご相談・お声掛けください。個人差はありますが、特に若い方・月経の影響で胸がはっている時期の方などは、通常よりも痛みを感じやすい傾向にあるようです。
こんな場合、検査を受けてもいい?
授乳中の方
マンモグラフィは、授乳中の方におすすめできる検査ではありません。乳房が張った状態で検査を受けると、強い痛みを感じる可能性があり、また通常期待さ れているだけの精度では診断ができないためです(正確な診断ができるのは、 断乳後6ヶ月ほどたってからといわれています)。
妊娠中、または妊娠の可能性がある方
放射線の被ばく量は自然界の放射線レベルと同じくらいの低さで心配ありませんが、妊娠中の方や妊娠の可能性のある方は受けられません。
インプラント豊胸術を受けている方
マンモグラフィは強い力で乳房を圧迫し、インプラントやその周囲の被膜に影響が及ぶ可能性があるため、当院ではインプラント挿入中の方のマンモグラフィの撮影は行っておりません。
超音波検査の場合は実施することが可能です。ただしインプラントの状況によっては、結果表送付時に別紙報告書を同封させていただくことがございます。
胸部に医療器具を挿入している方
インプラント豊胸術後の方と同様に、ペースメーカーや胸部のシャント・ポートを挿入されている方も、検査によって挿入位置のずれや破損の可能性がありますので、当院ではマンモグラフィ撮影は行っておりません。超音波検査は行うことができます。
参考:患者さんのための乳がん診療ガイドライン2019年版 日本乳癌学会編
マンモグラフィ検査が含まれたコースは?
以下のコースに、マンモグラフィ検査が含まれています。いずれのコースも乳腺超音波検査との併用で、より正確な診断を目指します。