乳腺科:乳房・乳がんに関するよくある質問
- 乳頭から赤色・茶褐色・黄色などや血液が混ざったような分泌がありとても心配です。
- 乳頭(乳首)から白い分泌や透明な分泌が出ます。
- 現在授乳中ですが、しこりのようなものを触ります。
- 母が3年前に乳がんにかかり、私も乳がんにかかるのではないかととても心配です。
- まだ20歳なのですが、乳房にしこりの様なものがあります。大変気になっています。
- 乳房に痛みや張り感があります。特に生理前に痛みが増します。
- 乳がんの初期症状なのか、しこりがあります。とても心配です。
- 乳がん検診の結果、切開生検が必要ですといわれたのですが、良性だと傷も残ってしまうのでとても心配です。切開生検をしたほうがよいのでしょうか?
- 健診センターで異常ありと診断され、精密検査が必要と言われたのですが、精密検査にはどのような検査があるのですか?とても心配です。
乳頭から赤色・茶褐色・黄色などや血液が混ざったような分泌がありとても心配です。
乳管の中に腫瘍ができ、腫瘍からの出血が乳頭の乳管を通って出てくることがあります。その原因をつきとめるには通常のマンモグラフィ(乳房専用X線装置)やエコー検査の他に乳管造影、乳管内視鏡、MRIなどの画像検査や細胞、組織検査などを行います。
病変(病気の過程であらわれる変化)が極めて小さいことが多く、良性と悪性の区別が難しいので、たくさんの検査を行います。とくに乳管造影と内視鏡は行っておきたい検査です。また、乳管内の病変は、もしがんであっても早期の状態であれば生命に係わりません。
良性のなかでも「乳管内乳頭腫」といって、乳管内視鏡で観察しながら取り除くことができます。成功すれば、手術の傷はつかず、分泌も止まります。乳管内病変は診断が難しいので、かならず乳腺専門の施設で検査を受けてください。
万が一、乳管内のがんであれば、理論上は他の臓器への転移は少ないと考えます。
乳頭(乳首)から白い分泌や透明な分泌が出ます。
診察してみないと分かりませんが、乳頭から白色の分泌液があってもがんと関連することは少ないです。妊娠や授乳に関係ない時期に白色のミルクのような分泌がたくさん出る場合は、薬剤の副作用やホルモンの影響などが考えられます。量が少なければ、正常な人でも分泌はみられます。乳頭からの分泌について、血液の混ざったものであった場合は乳管の中に腫瘍ができている可能性があるため早めにご相談ください。
現在授乳中ですが、しこりのようなものを触ります。
母乳が出る時期には、乳汁が何らかの原因でうっ滞して乳管の一部が大きく膨らんでしまった、乳瘤という乳汁が溜まったものもあります。
また、元々存在した良性のしこりが乳汁のうっ滞などで乳管の拡張が起こったりして表面から触れ易くなったもの。さらに、元々あった良性のしこり(多くは線維腺腫)が周りの正常乳腺の発達と同じく、ホルモン環境の変化により増大してきたようなもの。他にも色々あり得ると思います。
やはり、マンモグラフィや超音波を使用した乳がん画像検診をおすすめします。しっかり検査して、原因を理解したり対処することで不安を減らしていきましょう。
母が3年前に乳がんにかかり、私も乳がんにかかるのではないかととても心配です。
親、兄弟、子供に2人以上、1人でも閉経前に乳がんにかかられたり、他に卵巣がんの方がいたりという場合は、画像診断(マンモグラフィと超音波)を使った乳がん検診を年に1回は定期的に受けた方がよろしいでしょう。
ご家族にがんの病歴がない方よりも、統計上乳がんにかかる確率が高くなります。乳がん検診といっても、視触診ではなくきちんとマンモグラフィや超音波等の画像で行うものをおすすめします。
20代では、エコー検査だけでも充分だと思われますが、この際、今後も続けることを前提として、元となるマンモグラフィの記録を残しておくことも意義があります。30代になったら、必ず年1回の乳がん検診を行い始めることをおすすめします。
まだ20歳なのですが、乳房にしこりの様なものがあります。大変気になっています。
診察していないので何とも言えませんが、年齢からしてあまり気にする事はないと思います。実際にしこりがあるとしても線維腺腫などの良性の方が考えられます。腫瘍といっても、厳密には”腫瘍”というものではなく、変化であり様子を見ていてよいものです。
または、嚢胞と言って、液体が溜まった袋のようなものがありますが、これもがんとは全く異なります。または、乳腺症という状態も考えられます。乳腺症の場合は生理前に痛みが強くなり、生理が始まると痛みが和らぐなどの周期性があることが多いので、これも参考にしてください。
例外もありますので、乳腺専門の施設できちんとマンモグラフィ(乳房専用X線装置)やエコー検査などを行い、チェックしておきましょう。
乳房に痛みや張り感があります。特に生理前に痛みが増します。
痛みや張り感があるというのは、乳腺外来で多い訴えです。
乳がんの単独の症状として、痛みが密接に関わることは少なく、むしろ良性変化である乳腺症などのことが多いのです。この他には乳腺の炎症も考えられますが、この場合は、皮膚に赤みや熱感が見られる事などが目安になります。乳腺症の場合は生理前に強くなり、生理が始まると痛みが和らぐなどの周期性があることが特徴的です。しかし、痛いという症状だけで当院を受診されて乳がんが発見された方も少なくはありませんのでしっかり検査をしていく事が大事です。
乳腺専門医のいる施設で、マンモグラフィ(乳房専用X線装置)やエコー検査までは受けておかれることをおすすめします。
乳がんの初期症状なのか、しこりがあります。とても心配です。
一般に「しこり」と呼んでいるものを私たちは、「腫瘤」と「硬結」に分けて表現しています。「腫瘤」は指で触ったときにしこりの形がハッキリとわかるもの、「硬結」は周囲とは何か違って触れるがどこからどこまでとハッキリとはわからないものを指します。
乳がんはどちらの触れ方もしますし、柔らかいものから硬いものまで様々です。したがって、指で触っただけで乳がんであるとかないとかの判断はよほど特徴的なものでないかぎりできません。また、痛いがんもあれば痛くないがんもあります。
乳がんは自覚症状が無いというのは迷信です。90%近くの乳がんの患者様に自覚症状があります。乳房にできるしこりの殆どは良性のものです。その証明のために、マンモグラフィ(乳房専用レントゲン検査)やエコー検査などをします。さらに検査が必要であれば、MRI検査を行い、細い針を刺してしこりのごく一部を採取して顕微鏡で調べることもあります。この場合も、多くは良性です。また、万が一乳がんであったとしても、腫瘤径が2cm大までの大きさで、きちんと治療すれば90%近くは治ります。
乳腺疾患の一般的な画像診断方法は、マンモグラフィ(乳房専用X線装置)とエコー検査です。画像診断で私達が注意する主な乳がんの兆候は、腫瘤像(しこり)と微細石灰化像(1mmの十分の一以下の大きさのカルシウムのかたまりでマンモグラフィでは白い粒々に見えます)です。エコー検査は、触診では決して発見できないような5mmの大きさの腫瘤像(しこり)でも発見可能であり、一方淡いごく初期の石灰化像はマンモグラフィでしか見えないものが多いので、各々の特徴を考慮して両方を併用した検査が最も理想的です。
乳がん検診の結果、切開生検が必要ですといわれたのですが、良性だと傷も残ってしまうのでとても心配です。切開生検をしたほうがよいのでしょうか?
現在は、いきなり切開生検をせずに、外来で実際に超音波などの画像を見ながら局所麻酔下に針を刺して行う、細胞診や組織診を行います。これは、外科的に切除する前に、針で確認する方法です。良性であれば、基本的には切除する必要がない(傷をつける必要がない)ので、過大な侵襲(ダメージ)を避けることができます。
また近年、組織診の中でも吸引式乳腺組織生検が普及し、これまで診断が難しいとされてきたごく微細な石灰化病変や極めて不明瞭で小さなしこりなどのケースでも、一度に複数の組織を採取することが可能となり、また検査中何度も針の出し入れをする必要がなく、より短時間で診断精度の高い検査を実施できるようになっています。
イークではいずれの検査においても、熟練した乳腺専門の外科医師が対応させていただいております。また、採取された検体を正確に診断できる乳腺専門の病理医師、細胞検査士が在籍している専門機関と連携を確立しており、速やかな確定診断をおこなっています。
検査を受けられた受診者の皆様の不安に寄り添えるよう尽力しており、現在イークでは約1週間前後で組織診の結果をお出ししています。
健診センターで異常ありと診断され、精密検査が必要と言われたのですが、精密検査にはどのような検査があるのですか?とても心配です。
乳腺疾患の一般的な画像診断方法は、マンモグラフィ(乳房専用X線装置)とエコー検査です。画像診断で私達が注意する主な乳がんの兆候は、腫瘤像(しこり)と微細石灰化像(1mmの十分の一以下の大きさのカルシウムからできた白い粒々)です。
エコー検査は、触診では決して発見できないような5mmの大きさの腫瘤像(しこり)でも発見可能であり、一方淡いごく初期の石灰化像はマンモグラフィでしか映らないものが多いので、各々の特徴を考慮して両方でチェックするのが最も理想的です。
さらに精密検査としては、針を刺して行う、細胞診や組織診(針生検)があります。針を刺してしこりのごく一部を採取し顕微鏡で調べます。外科的に切除する前に、針で確認する方法です。良性であれば、基本的には切除する必要(傷をつける必要がない)がないので、過大な浸襲(ダメージ)を避けるために行います。
「異常あり」と聞くと不安になりますが、しこりが良性の場合もありますし、早めに対処することが一番の安心につながります。